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なきむしのじょおうさま(みのり/当時小学1年)

  むかしむかしなきむきのじょうおうさまがいました。
  そのじょうおうさまは、いまもないています。
  なんでないているのかというとこけてないてしまったのです。
  このじょうおうさまは、ときどきなんでもないのにないてしまうこともあるのです。

   そのじょうおうさまは、ひとりぼっちなのです。
  あるひ、じょうおうさまは、こうえんへあそびにいくことにしました。
  じょうおうさまは、こういいながら、いきました。
 「るんるん こうえんはひさしぶりだぞ。」
  こうえんにつくとおうじさまがいました。
  そのおうじさまは、じょうおうさまとちがってつよがりでした。
  それにやさしそうでした。
  ところがそのおうじさまもじょうおうさまといっしょ、ひとりぼっちでした。
  じょうおうさまはどろでだんごをつくることにしました。
  じょうおうさまは、「やっとできた〜。」とおもったそのとき、おうじさまは、じょうおうさまのところにきてこういいました。
 「なにつくっているの。あ、おだんごだね。」
  じょうおうさまは こういいました。
 「うん そうだよ。」
  おうじさまは、またこういいました。
 「じょうずだね。」
  じょうおうさまはこういいました。
 「ありがとう、きみはやさしいね。きみのなまえは?」
  おうじさまは、こういいました。
 「ぼく、だにえる。きみは?」
  じょうおうさまは、いいかえしました。
 「わたしのなまえは、きりいだよ。よろしくね。」
  だにえるときりいは、いつのまにかともだちになっていました。
  じょうおうさまは、
 「もうかえるね、また あした。」
  といいました。
  じょうおうさまは、いつのまにかなきむしじゃなくなっていました。

  めでたし めでたし

  おわり